ASAHI TOOLS MFG.CO.,LTD.
●雑学シリーズ3(超硬VSハイス)
 ○ハイス鋼(工具)とは
  炭素鋼をベースに、タングステン・モリブデン・クロム・バナジウム・コバルトなどを比較的多く含ませた合金材料です。
  製造過程では約1200度〜1350度で焼き入れし、粘りを出す為に約530度〜630度で焼き戻しされています。
  上記金属の配合を変えることにより異なる性質を持たせたものもあります。
  製造方法の違いでハイス・粉末ハイス・コバルトハイス等があります。
 ○超硬合金(工具)とは
  一般的には、炭化物の炭化タングステン(WC、タングステン・カーバイド)・タンタル等と、結合剤(バインダ)のコバルト(Co)を混合して、
  1400℃前後で焼結した合金を指し、最近では窒化物を添加したものもあります。硬さは、ダイヤとサファイヤの中間位。重さは鉄の約2倍になります。
  ハイスでは焼き戻し温度の600度付近で急激に硬さを失いますが、超硬合金の場合は800〜1000度程度まで硬さを保つことができます。
  そのため高速切削が可能で耐摩耗性に優れています。
  反面、もろさはハイス鋼より劣る為、最近では炭化物の微粒子超硬(超微粒子超硬)の研究が進みこのもろさの改良がされています。

 ◎工具性能では(超硬VSハイス)
性 能 効  果 優れているのは
耐熱・耐摩耗性 高速切削が可能 超硬
工具の寿命 超硬
剛 性 穴のまがり・拡大を抑え、高精度に加工 超硬
耐溶着性 構成刃先の発生を抑え、仕上げ面が良好 超硬
靭 性 (高い)チッピングや欠損など、異常損傷に強い ハイス
(低い)穴のまがり、拡大を抑え、高精度に加工 超硬

  高速・高精度の加工を求められる現在では、
  耐熱性・工具剛性に優れ、高速・高精度の加工が可能になる
   「超硬工具」へのニーズが高まっています。
  また、コストの点でも、
  ハイス鋼と比較して高速加工による加工時間短縮ができる為、加工コストを大幅に削減します。
  また、ハイス鋼と比較して工具寿命が大幅に伸びるため、切削長あたりの工具コストは大きく低減します。
  そのため、時間当たりの生産性を重視する加工現場に重要視されています。


弊社では、価格を抑えた「超硬ロー付工具」や、性能を重視した「超硬ソリッド工具」の色々なアイテムを、在庫いたしております。
●超硬合金の歴史
 超硬合金は、1923年にドイツの科学者「シュロッター」が製法を開発したといわれています。
 1926年にドイツのクルップ社(Feiendlich Krupp)が「ウィディア(Widia)](Wie Diamant=ダイヤモンドの如し)と名づけて販売を始めました。
 日本では1928年頃から、東芝(現・タンガロイ)の前身である芝浦製作所と東京電気が日本初の超硬合金を開発し、
 「タンガロイ」と称して販売したのが始まりとされています。
 その後時期をおかずに、住友電線製造所(現・住友電気工業)から「イゲタロイ」が、三菱鉱業(現・三菱マテリアル)により「ダイヤチタニット」がそれぞれ開発され、前述の「タンガロイ」と合わせて超硬合金の御三家になりました。
 主に営んでいた事業分野がそれぞれ異なる(金属部品加工、電線製造、鉱山経営)ことを反映して、当初の開発の目的(用途)は異なっていた(一般金属の切削加工関連、電線の引き抜き用金型関連、鉱山の掘削関連)ようだったが、結局同じ超硬合金という材料にそれぞれがたどり着いた点は、興味深いことといえます。


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